研究課題/領域番号 |
20652034
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 広島女学院大学 |
研究代表者 |
田中 秀毅 広島女学院大学, 文学部, 准教授 (50341186)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 英語 / 言語学 / 関係詞節 / 数量詞 / 日英比較 |
研究概要 |
本年度は、日本語と英語の部分構造と関係詞節の相関について考察した。まず、日本語については、Kawashima(1998)が指摘した次の言語事実を考察した。 (1) 花子が[積んであったたくさんのみかん箱]を{2,3個/??3個/すべて}投げ捨てた。 遊離数量詞(FQ)が概数詞の場合は普遍数量詞「すべて」と並行的に容認されるが、FQが基数詞の場合は容認性が低下する。本研究は、FQが概数詞でかつ先行詞に連体数量詞が含まれる場合、2つの数量表現の対比によって比率的用法になり、普遍数量詞の性質を帯びると結論づけた。 英語については、部分構造A of BとA out of B(以下、「対比構造」と呼ぶ)の意味機能を比較した。両者は部分-全体の関係を表す機能をもつ(two of/out of the ten students)が、部分構造についてはさらにタイプ-トークンの関係を表す機能をもつ。例えば、(2)で部分構造を用いると、特定の種類のペン(タイプ)を3本(トークン)買ったという意味になるが、対比構造を用いると特定のペンの集合(全体)のうちの3本(部分)を買ったという意味になる。 (2) He bought three {of/out of}those pencils at the stationary store.次の例文は、(2)のof/out ofのうしろの名詞(第2名詞)を関係詞節化したものである。 (3) The stationary store has those pencils{of/#out of}which he bought three. (3) のような関係詞節の主名詞はタイプ解釈になることをふまえ、本研究は、部分構造の第2名詞(タイプ解釈)が関係詞節の主名詞になるのは許容されるが、対比構造の第2名詞(非タイプ解釈)が主名詞になるのは許容されないと結論づけた。
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