平成21年度は前年度(平成22年度)の実施内容に受け、以下の3点を継続して行った。 1.心理学実験ソフトウエアPsyScopeoを使用した実験プログラムの作成および修正・整理 日本語母語話者の様々なアクセント英語に対する理解度に関し、内容の適切さに対する判断の速さと正確さを計測する実験プログラムがPsyScopeo上で確実に稼働するよう修正を加え本実験に向け体制を整えた。 2.非母語話者によるアクセント英語の採集と音声刺激の加工・精製 上記1のプログラム整備と並行して、前年度採集した12名の非英語母語話者の音声データをデジタル化し、実験プログラムのPsyScopeo上で稼働できるよう音声面での加工を施した。 3.アクセント強度の調査および本実験に使用するアクセント英語刺激の決定 前年度において、本実験で使用する音声刺激を抽出する目的で採集した12種類のデジタル音声を、3名の英語母語話者に1(アクセントが弱い)~9(アクセントが強い)段階で判断してもらった。その結果を受け、上記12名のうち、日本語母語話者(アクセント強度平均値6.8/9段階)、ベンガル語母語話者(同7.7/9段階)アラビア語母語話者(同4.7/9段階)、ドイツ語母語話者(同2.4/9段階)の4名の刺激を本実験において使用することを決定した。 前年度より継続して行った上記3点に加え、パイロットスタディとして、英語母語話者の音声刺激に対する理解度を独立変数の一つとして測る目的のもと、新潟大学教育学部に在籍する1年次学生40名を対象にTOEICパートIの練習問題を実施した。その結果、平均値および、標準偏差の値が予想を超えて低く、データの弁別性が問われたため、再度問題のレベルを設定しなおし、実施することが必要と認められた。こうした状況から、平成21年度は当研究の最終年度にあたるが、研究進行が遅れたため(研究予算の執行は終了しているものの)、本実験の大部分を含む手順が終了するに至らなかった。
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