研究課題/領域番号 |
20652056
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
韓 敏 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (10278038)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 文化遺産 / 文化戦略 / グローバル化 / 覇王(項羽) / 安徽 / 記憶の形 / 互恵的人類学 / 非物質文化遺産 / 人間神 / 項羽廟 / 解放軍廟 / 祝祭 / 人類学 / 鍾馗 / 項羽 / 文化政策 / 3月3覇王祭 / 廟 / 口頭伝承 |
研究概要 |
20年度と21年度の研究成果をまとめながら、安徽省無形文化遺産として認定された「3月3覇王祭」について、2010年8月13~24日安徽省和県烏江鎮でインテンシブな人類学的現地調査を行い、行政側の担当者、学者、観光施設のスタッフ、地元の古老、一般の民衆、約40人の聞き取り調査を行った。 今年度の研究成果は主として以下の3つにまとめることができる。 (1)安徽省和県と覇王祠で継続調査を行い、和県政府が安徽省級の文化遺産である「3月3覇王祭」を国家級無形文化遺産に申請していることを確認し、それについて聞き取り調査と文献調査を行った。 (2)中国側の研究者、浙江師範大学音楽学院院長郭克教授、安徽師範大学音楽学院院長王自東教授と大学院生の張旭、黄娟の協力を得て、これまでに調査ができなかった烏江鎮政府、地元の龍舞会、覇王祠とのかかわりが深い地元の知識人と会うことができて、貴重な話とともに、1920年代の覇王祠の写真と文献資料を入手することができた。 (3)20年度、21年度と22年度の調査を総合的にみると、無形文化遺産の認定後、覇王祭の保存に関する民間団体(たとえば龍灯会)や知識人の意識が強まり、その関連活動も徐々に増えている。文化遺産に関する政府の制度化はある程度民間の文化自覚をもたらしたといえる一方、文化遺産の申請と運営が業績化される傾向がみられ、文化遺産の所有、実践、管理と解釈をめぐって県政府、鎮政府と地元の人々の間にはずれが生じている。 現地調査の際に接した人々に日本の無形文化財の理念と実践、日本における項羽の表象を具体的に紹介し、互恵的人類学の現地調査を実践した。
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