研究課題/領域番号 |
20653010
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 大阪学院大学 |
研究代表者 |
鬼木 甫 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (40107107)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 電波 / 配分 / 割当 / 市場メカニズム / 利用効率化 / 供給価格 / 既得権 / 拡張された市場メカニズム |
研究概要 |
「電波資源の効率的利用のための拡張された市場メカニズムの設計・分析」を下記の方策で実施した。 A.前提・方法 電波利用の技術要件、すなわち電波の周波数帯別・地域別区分と利用方式に関する規制を所与とし、その下で電波を利用者に配分・再配分する経済制度の設計・分析に集中する。研究の第1段階では電波利用制度の現状を無視し、長期的に最適な制度をゼロから設計・分析した。第2段階で、現存制度から長期的に最適な制度に漸次移行する方策を考えた。 B.主要内容 電波を効率的に配分・再配分するためには、それぞれの電波について、現在の利用効率と、潜在利用者による可能な(しかし未実現の)利用効率に関する情報、すなわち電波の供給価格と需要価格が必要である。通常の財・サービスの場合、競争市場の供給・需要機能がこの必要を満たしている。電波の場合、その需要価格は、たとえばオークションによって顕示できる。他方電波の現利用者は既得権を持っており、また電波は減量・減耗しないのでコストゼロで継続保有できる。その場合の「電波供給価格」すなわち「同電波の利用を停止しこれに代る経済活動を開始する費用」を正しく顕示させるメカニズムは現存しない。利用者に申告させても、正しい供給価格を表明する誘因が欠落しているので、極端に高い(虚偽の)供給価格が表明されることになる。本研究の眼目の1つは、正しい供給価格の表明を実現する誘因を工夫することにあった。その上で効率的利用のための電波取引制度を設計して経済モデルに定式化・分析し、またモデル表現が困難な問題について検討を加え、さらに現状すなわちパレート非効率状態から同効率状態への移行を制御する手段を探求した。 上記の成果を「11.研究発表」中の研究成果としてまとめた。
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