研究課題/領域番号 |
20653014
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
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研究分担者 |
木成 勇介 名古屋商科大学, 経済学部, 講師 (10509855)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 労働経済学 / 男女間賃金格差 / 出来高給 / 競争的報酬体系 / 自信過剰 |
研究概要 |
男女間で昇進格差が生じていることは、多くの先進国で観察される事実である。その理由として、雇用主の差別や男女間における離職率の差、ワークライフバランスに欠ける職場環境の存在など、様々な原因が考えられてきた。近年注目されている仮説は、男女間で競争に対する選好が異なることが、昇進競争への参加の男女差を生み、結果として男女間の昇進格差が発生している、というものである。米国での経済実験を用いた先行研究では、男性のほうが女性よりも、競争的報酬体系を好むことが明らかにされ、その理由は自信過剰な上に競争自体を好むという特性があるためだという結果が得られている。しかし、競争選好に関する男女差が、文化によって形成されるものなのか、それとも文化に依存せず共通のものなのかを明らかにするためには、様々な国、様々な被験者を用いた分析が必要である。本研究では、先行研究と同様のタスクを用いて、競争的報酬体系と歩合制の報酬体系との選択を日本人の被験者に行わせた。その結果、先行研究と同様、男性のほうが女性よりも競争的報酬体系を好むことを見いだした。その理由は男性のほうが女性よりも自信過剰であることによる、ということを明らかにした。本研究では、競争をするグループ内の男女比と競争選好の関係についても明らかにした。女性は女性ばかりのグループでは自信過剰になり、男性はグループ内に女性がいると自信過剰になる傾向があることを見いだした。これは、女性はもともと競争を好まないというよりも、男性との競争を好まないという文化特性である司能性が高い。それを明らかにするため被験者集団を文化系の学生に絞った場合と実験タスクを計算問題から迷路に変更した実験を追加的に行った。これらの実験結果の解析は、現在まだ行っている途中である。
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