研究課題/領域番号 |
20653025
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
乾 弘幸 九州産業大学, 商学部, 教授 (50299400)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2010年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 観光創造 / 観光行動 / 経験価値 / 物語創造 / ホスピタリティ / 関係性 / 観光行動プロセス / 出会い / 経験・経験価値 / 社交 |
研究概要 |
本研究の目的は、観光者の一連の行動プロセスに焦点をあて、その中から創り出される経験価値が物語を創造するのかということを探り出すことにある。 本年度は、本研究の最終年度を迎えることになり、これまでの文献サーベイおよび聞き取り調査からの論理を整理し、観光者の観光行動プロセスにおける経験価値とその物語化についての理論構築を行った。 この理論の核となる概念は、観光者の行動プロセスを「消費」と「社交」の2つの側面に分類し、その行動過程における人々との「出会いの場」をそれぞれ『サービス・エンカウンター』と『ホスピタリティ・エンカウンター』として論理展開を行っている。また、その行動プロセスから生まれる価値をそれぞれ『顧客関係性から生じる「経験価値(消費価値)」』と『交流関係性から生じる「交流価値」』と位置づけている。観光者が行う物語の創造化は、これらの2つの側面からのプロセスによって形成され、特に人々との交流による社交状態から得る価値が物語化に大きく影響することを提起している。エンカウンターの概念は「出会いの場」であり、「接遇場面」である。しかしながら、これまでの研究で明らかになっている「サービス・エンカウンター」だけでは説明できない部分を解明するためにホスピタリティ概念を用いて『ホスピタブル・リレーション』の論理展開へと発展させた。 この概念は、これまで語られることのなかった「消費に関わらない出会いの場」から生まれ出る関係性を示唆している。語源となる"Hospitality"のもつ「もてなし」「心づかい」という本来の意味を踏まえつつ、人と人との関係性からの考察により構築した新たなる理論構築である。 以上の総括的実績としての博士学位論文を平成23年度内に提出、公刊する予定である。 また、本年度は財団法人日本観光協会が主催する「観光経営マネジメント講座」においての招聘講演を名古屋、山形、福岡の3カ所で実施し、これまでの研究成果を公開した。加えて、北海道大学観光学高等研究センターが主催する観光関連セミナーにおいても計2回にわたり成果発表を行った。
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