研究課題/領域番号 |
20653040
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
田中 堅一郎 日本大学, 大学院・総合社会情報研究科, 教授 (80212033)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ジェンダー・ハラスメント / セクシュアル・ハラスメント / ジェンダー・ハラスメント作為 / ジェンダー・ハラスメント不作為 / 過大な職務遂行要求 / 精神的健康状態 / 作為を期待する言動 / セクシズム / 性役割観 / 過剰な職務要求 |
研究概要 |
昨年度の研究では、日本の就業女性の受けるジェンダー・ハラスメントは、セクシュアル・ハラスメントとは別の概念として扱われるべき可能性のあることが示された。そして、就業女性が周囲の男性や他の女性から受けるジェンダー・ハラスメントには2つの様態(不作為・作為)のあることが示された。次いでこの2つの様態を基にしでジェンダー・ハラスメントの測定尺度を作成し、妥当性の検討を行った。 今年度の当該研究では、女性が男性や女性から受ける2つの様態のジェンダー・ハラスメント(不作為・作為)が、被害者の女性の精神的健康状態に及ぼす影響を調査した。日本の組織で働く女性の200のサンプルを使用し、構造方程式を用いて仮説を検討した。その結果、昇進の意志が高いほど、ジェンダー・ハラスメント作為・不作為に対して不快感が高く、能力を高めて職務に生かす意志が高いほど、ジェンダー・ハラスメント不作為に対して不快感が高いことが示された。また、ジェンダー・ハラスメント不作為を受けた女性は、それに対する不快感の有無とは関わりなく、受けた頻度が過大な職務遂行要求(OPD)を高めていた。ジェンダー・ハラスメント作為ではそれを受ける頻度ではなく、それに対する不快感が高いほどOPDを引き起こすことが示された。そしてさらに、OPDは女性の精神的健康状態に悪影響を及ぼすことが確認された。これらの結果から、ジェンダー・ハラスメント作為と不作為では、それを受けた女性の精神的健康状態に及ぼす影響が異なることが示された。
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