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「移動」が不利にならない教育システム構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20653063
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 教育社会学
研究機関鳥取大学 (2009)
和光大学 (2008)

研究代表者

児島 明  鳥取大学, 地域学部, 准教授 (90366956)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード多文化教育 / 移動 / ニューカマー / 教育社会学
研究概要

越境移動する人びとの教育に関する先行研究を検討して浮かび上がってきたことの一つに、いわゆる「若者の危機」について数多くの研究が蓄積されるなかにあって、移動する青年の「移行」については、ほとんどまともな研究がなされていないことがあった。これは、従来の移行研究が、「日本人」を前提としたナショナルな枠組みに暗黙のうちにとらわれ、移動あるいは移動する人びとの視点を欠いてきたことに起因するものと思われる。そこで、国境を越えた移動のなかで青年期を過ごすブラジル人青年の移行経験について、かれらが自身の「自立」や「自己実現」をどのように意味づけ生きているのかに注目し、日本とブラジル両国での聴き取り調査を行なった結果、かれらの語りからは、移動による獲得と喪失の経験をめぐって、「獲得の持続」「喪失への転化」「喪失の累積」「獲得への軌道修正」という四つの物語が析出された。とりわけ「獲得への軌道修正」は、度重なる移動による「喪失」経験の累積を断ち切る可能性として、移行支援の文脈からも興味深いものであった。ただし、「軌道修正」の可否は、当該の青年が居住する地域においてアクセス可能な諸資源の有無、あるいはそうした諸資源へのアクセスを可能にしてくれる知人・友人や支援団体(社会関係資本)の有無といった偶然性に大きく左右される。その意味では、ニューカマー青年の移行の結末は、かれらの自己決定ないし自己責任に安易に帰されるべきものではない。移行期を生きる青年はさまざまなゆらぎのなかを生きており、国境を越えた移動の経験もそうしたゆらぎをもたらす大きな要因の一つである。人間形成の途上にあって、ゆらぎながら生き方を模索する可塑的な存在としてニューカマー青年を理解し、どのような局面でどのような働きかけが望ましいかを熟慮することは、今後、ニューカマー青年に対する実効的な移行支援を構想するにあたり重要なポイントとなる。

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ニューカマー青年の移行に関する研究-在日ブラジル人青年の「自立」をめぐる物語を手がかりに-2010

    • 著者名/発表者名
      児島明
    • 雑誌名

      地域学論集(鳥取大学地域学部紀要) 6巻

      ページ: 283-297

    • NAID

      40018959852

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      児島明
    • 雑誌名

      いちょう団地発!外国人の子どもたちの挑戦(岩波書店)

      ページ: 130-135

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 特別支援教育とニューカマー児童生徒教育2009

    • 著者名/発表者名
      清水睦美、児島明、家上幸子
    • 学会等名
      日本教育社会学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2009-09-13
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] ニューカマーをめぐる教育研究の分析視点を間い直す-移動の教育社会学に向けて-2008

    • 著者名/発表者名
      児島明, 松山有美, 賽漢卓娜, 岩村ウィリアン雅浩, 山崎香織, 中島葉子, 白山真澄, 今津孝次郎
    • 学会等名
      日本教育社会学会第60回大会発表
    • 発表場所
      上越教育大学
    • 年月日
      2008-09-20
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2016-04-21  

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