研究課題/領域番号 |
20654001
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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研究分担者 |
宮地 兵衛 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (90362227)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 代数幾何学 / エンリケス曲面 / 3次曲面のヘシアン / 頂点作用素代数 / 超特異K3曲面 / リーチ格子 / 一般線型量子群 / 例外型巡回ヘッケ環 / 代数機何学 / Coble曲面 / 有限単純群 / モジュラー表現 / 岩堀ヘッケ代数 |
研究概要 |
Enriques曲面の周期領域上の保型形式の族と、Griessが構成した2元からなる有限体上の10次元偶2次形式の直交群を自己同型群として持つ頂点作用素代数となんらかの関係があると予想し、それを調べることが、本研究課題の中心テーマであった。中心テーマの解明には至らなかったが、以下の成果が得られた。 1. Enriques曲面のモジュライ空間上の保型形式の幾何学的意味を解明するために、比較的分かりやすい部分族に保型形式を制限し研究を行った。具体的には3次曲面のヘシアンを取ることで得られるエンリケス曲面を考え、3次曲面の不変式を用いて保型形式を記述することができた。3次曲面の研究は様々な観点から行われているが、本研究が新たな視点を提供することが期待される。論文をまとめ、現在投稿中である。 2. 散在型有限単純群論や頂点作用素代数において重要な格子としてリーチ格子がある。このリーチ格子の幾何学を用いて、昨年度、標数2でArtin invariant 1の超特異K3曲面の新しい構成方法を見いだした。論文を完成させ、現在投稿中である。なぜリーチ格子がK3曲面の研究に有用であるかはいまだに問題であるが、その解明に向けて、この研究を継続した。具体的には標数3の超特異K3曲面をこの観点から研究した。このK3曲面はフェルマー4次曲面と同型であり、その上に112本の射影直線が存在するが、これら直線はリーチルートで実現される。クンマー曲面としての112本の直線の構成や、2次曲面の2重被覆としての実現などを行い、さらに自己同型群の計算を試みている。この研究は桂利之氏(法政大学)との共同研究として行っている。 3. 分担者の宮地は、導来圏を多用し1のベキ根での一般線型量子群の有限次元表現の圏についてベキ根の位数が小さい圏は、大きいほうの直和因子にになることを示した。この結果はProgress in math.より本年度中に発表した。またランク2の例外型巡回ヘッケ環の分解行列を計算した。現在、専門誌に投稿中である。
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