研究課題/領域番号 |
20654021
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 准教授 (60272465)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 超精密計測 / 放射線、X線、粒子線 / 素粒子実験 / 量子エレクトロニクス / シミュレーション工学 / 光センサー / 光量子 / 検出器 / 電子デバイス / 半導体 / シミュレーション / 素粒子 / 電子工学 |
研究概要 |
本研究の主題である光子検出センサー(PPD)は多数の微細なAvalanche-Photo-Diodeのピクセルを持ち、これをGeiger-modeで動作させることで「光子を感知したピクセルの数によって入射した光子総数を数える」という新しい計測原理を持つ。研究の主眼はこれまで困難であった内部構造を取り入れたデバイスシミュレーションを創成することにある。 本年度の研究において、まず特に重要な増幅機構およびノイズの発生源に関し2つの論文をNucl.Instrum.Meth.Aに投稿し掲載された。ここでは波形を調整し時間計測精度を上げうる構造とノイズを押さえつつ増幅率を向上させる可能性を持つ新しい構造の提案を行った。 これと並行し、本格的に実際の電場構造を模擬したセンサーをプロセスシミュレーターで再現し、デバイスシミュレーションを構築していった。結果として、遂に研究目標であるプロセス・デバイスシミュレーターにより新型光検出器の基本特性の再現に至った。今まで国内のどの研究機関でも成し遂げなかった数値シミュレーションによるガイガーモードでの増幅過程の特性再現の成功であり、これは極めて大きな成果であった。 デバイスシミュレーターでは基本特性として電子・ホールの移動、雪崩現象による増幅、物性によるノイズ生成機構、出力に関する電圧依存、温度特性、波形の再現ができるところまで進展した。また、我々が発見した検出器の出力波形に関するメカニズムを実際に取り入れた試作センサーが浜松ホトニクスにより開発され、時間特性を良くしたデバイスとしてメーカー側から国際会議でも発表された。今後の課題として、時間を追った解析において一部の不安定な動作が見られることがわかった。これは今後のこのセンサーでの主要研究課題のひとつとなる。
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