研究課題/領域番号 |
20654026
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
舛本 泰章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60111580)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2008年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 量子ドット / 電子スピン / スピン / ラーモア歳差運動 / 時間分解カー回転 / InP / CdMnTe / 交換相互作用 |
研究概要 |
<量子ドット中の電子と正孔の交換相互作用> 直線偏光による準共鳴励起下で1電子ドープのInP量子ドットと2電子ドープのInP量子ドットの発光の円偏光度を縦磁場下で、磁場の関数として調べ、低温では磁場の増加とともに増加する円偏光度は正孔単独のゼーマン分裂間の熱分布によって形成される分極に比べて小さく、電子との交換相互作用が働いている事が示唆された。2電子ドープのInP量子ドットの場合には、発光の円偏光度の縦磁場依存性は、弱磁場領域で電子と正孔の異方的交換相互作用による構造が重畳することが観測された。 <量子ドット中のスピンの時間分解カー回転> 横磁場下でInP量子ドットの電子スピンのラーモア歳差運動の同期励起のため、どの様な条件下で電子スピンが単独で歳差運動をするかを明らかにするため、また歳差運動の周期を正確に求めるため、量子ドットのチャージング状態を変えて時間分解カー回転による才差運動の直接計測を行った。InP量子ドットが1電子ドープの際にはドープされた電子スピンの才差運動、中性のときには電子・正孔間の交換相互作用を含む励起子の才差運動が観測された。電子スピンの才差運動は2ns以上続きトリオン寿命の260 psより長いことからドープされた電子スピンの才差運動であることが確認できる。電子スピンの才差運動を、純粋に観測するには、ドープされた電子スピンが最適で、中性状態では電子・正孔間の交換相互作用による影響が電子スピンの才差運動に出てくることとなることを明らかにした。さらに、時間分解カー回転によりCdMnTe量子ドット中の電子スピンとMnスピンの才差運動が観測され、電子スピンの才差振動数が常磁性的に振る舞うMnスピンと相互作用する振る舞いを明らかにした。
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