研究課題/領域番号 |
20654030
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田仲 由喜夫 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40212039)
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研究分担者 |
押川 正毅 東京大学, 物性研究所, 教授 (50262043)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アンドレーエフ束縛状態 / トポロジカル数 / トポロジカル秩序 / マヨラナフェルミオン / 奇周波数電子対 / エッジ状態 / 量子スピンホール絶縁体 |
研究概要 |
アンドレーエフ束縛状態をトポロジーの観点から研究を行った。時間反転対称性を破らない、ゼロエネルギー(フェルミ面上)に形成されるアンドレーエフ束縛状態を波動関数のもつ性質とバルクのハミルトニアンの持つ性質から研究した。ボゴリューボフ方程式の持つ電子・ホール対称性と時間反転対称性から、カイラリティとよばれる量子数を定義することができ、その結果バルクの超伝導体で定義されるトポロジカル不変量が計算できる。一方で、カイラリティ演算子を波動関数に作用することによって、+-のカイラリティを持つ状態の個数を知ることができる。バルクで定義されるトポロジカル量子数(巻きつけ数整数)が、+-の固有値を持つ状態数の差になっていることが解明された。これは指数定理というもので、ゼロアンドレーエフ束縛状態の持つトポロジカルな性質が解明されたことに対応する。またスピン軌道相互作用が強い空間反転対称性の破れた超伝導の表面状態を調べた。スピン1重項d波とスピン3重項p波が共存するような条件下で、ゼロエネルギーアンドレーエフ束縛状態がマヨラナフェルミオンになることが示された。マヨラナフェルミオンはトポロジカル絶縁体の上に、強磁性体と超伝導体を載せた系においても現れる。マヨラナフェルミオンが準粒子トンネル効果、ジョセフソン効果に与える影響を調べた。こうした研究とは別に、整数スピンからなる、3本鎖のスピンチューブ系の基底状態における相図を、非線形シグマ模型、強結合展開、弱結合展開、数値計算(密度行列くりこみ群)を組み合わせて決定した。スピン2では、断面の三角形の結合が強い極限で、三角形の異方性を変化させることにより4回の逐次相転移が起きる。このように相図は複雑であるが、半奇数スピンを持つ端状態やストリング秩序パラメータで特徴付けられる非自明なトポロジカル相と、それ以外の「自明な」相の2つに分類された。
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