研究課題/領域番号 |
20656003
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宇治原 徹 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (60312641)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 脂質二重膜 / 半導体デバイス / 相分離構造 |
研究概要 |
本研究では、局所発光制御可能なドットマトリクス型半導体発光デバイスを用い、その上に膜タンパク質を含んだ脂質二重膜を形成することで、相分離構造(ラフト構造)を介した膜タンパク質輸送・凝集のアクティブ制御の実現を目指した。具体的には半導体・生体膜ハイブリッドデバイスのプロトタイプとして、局所光照射装置の開発とそれによる相分離構造制御を最大の目的とした。昨年度までの研究において、局所光照射装置を開発し、それによる実験を開始したが、当初予定していた光による相分離構造制御が実現できず、その原因が拡散係数の減少にあることを明らかにした。そこで、本年度は当初膜タンパク質の制御を中心で行う予定であったが、その基礎段階として拡散係数の向上と局所光制御システムによる相分離構造制御の実現に注力した。 (1)脂質組成の制御による光応答性の向上:本研究における光制御においては脂質膜に光吸収する脂質分子を導入するが、その組成を増加させることで光制御の反応性を改善した。 (2)光量依存性の取得:また、本研究で行う光制御においては光強度を強くすることで、その効果が大きくなると予測される。そこで、実際に光強度による凝集効果の確認を行ったところ、予想通り光強度の強くすることで凝集効果が顕著になった。 (3)拡散係数増大による光応答性の向上:光応答性が低い理由として生体膜の拡散係数が小さいことがわかっている。膜の観察などを詳細におこなったところ、生体膜中の脂質分子の密度が低くなっていることが主原因であることをつきとめた。そこで、成膜手順、条件を最適化したところ、拡散係数を増加させることに成功、それとともに凝集効果における光応答性も向上した。 これらにより、局所光制御装置による相分離構造制御に成功し、当初の最大の目的であった半導体・生体膜ハイブリッドデバイスのプロトタイプを実現した。
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