研究課題/領域番号 |
20656015
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
|
研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
木吉 司 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, グループリーダー (00354316)
|
研究期間 (年度) |
2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 磁束集中 / 磁束濃縮 / テープ状超伝導体 / バルク超伝導体 / 反磁性 |
研究概要 |
本研究では、垂直な磁束成分を遮蔽するように超伝導電流が流れる超伝導体を用いて磁束を集中する「磁気レンズ」の実験的検証を行った。 2次元超伝導体である12mm幅のYBCO線材を周回電流が流れないように絶縁を取りつつ、かつ隙間が生じないように、先端部直径23.2mm、底面部直径166.3mm、高さ63.6mmの側面を持つ銅製中空円錐上に配置した。1層目は長さ95mmの線材を16枚、2層目は79mmの線材を16枚、3層目は50mmの線材を32枚、円錐の底面と線材の端部が重なるよう放射状に固定した。このYBCO線材を貼り付けた中空円錐3個を重ねて磁気レンズを構成した。外部磁場を発生するNbTi超伝導コイルは内径174.4mm、外径192.3mm、高さ38mmで、100A通電時に中心磁場0.878Tを発生することを確認した。 上記、磁気レンズと超伝導コイルを冷凍機伝導冷却型の磁気レンズ評価クライオスタットに組み込み、3.6Kまで冷却して、外部磁場発生時のクライオスタット表面での磁場分布を測定した。磁気レンズのない状態では中心近傍の磁束密度は均一であり、(中心の磁束密度)/(半径20mmでの磁束密度)の値は1.002であった。一方、磁気レンズがある状態では、この値が1.055まで増加し、磁気レンズによる磁束の集中効果が実証された。また外部磁場を零としても磁場分布が存在し、YBCO線材の場合、残留磁化が大きいことも見出された。 周回電流を抑制するようにスリットを入れ、中心部で中空側面が囲む面積を狭めた(最小内径6.85mm、最大内径28.96mm)GdBaCuOバルク超伝導円筒でも磁気レンズを作製した。この磁気レンズの中心磁束密度は、液体ヘリウム中、外部磁場2Tで5.65Tに至っており、磁気レンズの効果をより明瞭に実証した。
|