研究課題/領域番号 |
20656016
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
|
研究機関 | 神奈川県産業技術センター |
研究代表者 |
平林 康男 神奈川県産業技術センター, 電子技術部, 專門研究員 (30426358)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 炭化珪素 / サブ波長格子 / 反射防止 / 紫外線 / センサ / 無反射 |
研究概要 |
炭化珪素(SiC)は、過酷な環境でも耐久性のあるワイドバンドギャップ半導体材料であるため、紫外線センサとして適している。しかし、屈折率(n)が高いため(n=2.5~4)に、反射率が20~40%と高くなり、素子内に入る光量が少なくなる。そこで、4H-SiC基板表面にサブ波長格子(SWS)構造を形成して、反射率の低減を行った。また、初めてSWS構造を持つ4H-SiCメサ型p-nフォトダイオードを作製し、効率向上を確認した。SWS構造はドライエッチングで形成した。無機系ネガ型EBレジストのカゴ型水素化シルセスキオキサン(HSQ)をエッチングマスクとした。高さ70nm、ピッチ140nmのHSQのドットパターンを形成した。酸素雰囲気中800℃で熱処理を行い、HSQをシリカ構造に転化しドットパターンマスクを形成した。SWS形成はCl_2+O_2混合ガスのECRエッチングで行った。周期140nm、高さ130nmのSWS構造の入射角20°における分光反射率は、波長300nm付折で3~4%と最小になり、それより長波長でも短波長でも反射率は上がる。FDTD解析から、入射波長300nm付近で反射率が最小となる傾向を再現できた。この解析から平坦な部分のないアスペクト比2以上のSWS構造で波長200nm~400nmで反射率が1%以下になる指針を得た。周期140nm高さ177nmであるSWS構造を持つフォトダイオードと通常のフォトダイオードの分光感度特性を比較した。SWS構造を持つフォトダイオードは、SWS構造のない素子に比べて、波長260nm以上で感度が増大しており、波長310nmで30%以上の増加となった。波長250nm以下では、逆に感度低下を起こしていた。これは、微細構造によって表面再結合速度が増大したためと推測している。測定波長域全体(200nm~400nm)では、22%の出力増加となった。
|