研究課題/領域番号 |
20656056
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤巻 朗 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20183931)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 単一磁束量子 / スピン / メモリ |
研究概要 |
本研究は、超伝導単一磁束量子回路の高機能化の障害となっている大容量高速メモリに対し、超伝導回路技術とスピンエレクトロニクス技術を組み合わせることで解決を試みるものである。記憶層として強磁性体を用いるが、その強磁性転移温度を超伝導体の臨界温度よりも低く抑えることで、超伝導回路への悪影響を抑制する。磁性体を使うことでシートインダクタンスが大きくなり、読出し回路も含めた記憶セルは従来よりはるかに小さくすることが可能となる。また、低い強磁性転移温度は小さな電流値で磁区を反転させることができ、低電力化も期待できる。平成21年度は、平成20年度に作製法を確立したNbによるSQUIDループ上に、磁性ナノ粒子(酸化鉄)をフォトレジスト中に拡散させた形で配置し、低温での磁気特性、メモリ効果について評価した。この場合、強磁性転移温度を含めた磁気特性の制御は、ナノ粒子の大きさとフォトレジスト中の濃度によって制御している。また、配置にはスピンコートとフォトリソグラフィ技術を用いている。印加磁場の増減に伴って、SQUIDの特性にヒステリシスが出るかどうかを調べたところ、4Kにおいてもナノ粒子径5nmの場合は観測されず、10nmでわずかにヒステリシス、すなわちメモリ効果が観測された。実際にメモリとして用いるには、より小さな磁場に応答する必要がある。ここれには、用いる磁性ナノ粒子径を大きくする、あるいは酸化鉄以外の材料を用いることで、所望の特性が得られるものと考えている。
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