研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では、次世代の高誘電体(high-κ)デバイスの開発を目指した新たな試みとして、申請者が開発した「分子レベルの薄さの高誘電体ナノシート」を利用したボトムアップ集積技術を提案し、従来のトップダウン技術では実現できない高機能誘電体素子の開発を行った。本年度は、巨大誘電特性、サイズ効果フリー機能など特異的誘電特性を有する酸化チタンナノシート(Ti_<0.87>O_2)をモデルケースに、特性デザインと新規材料探索を行い、ナノシートを基幹ブロックとする高容量high-κナノキャパシタやゲートデバイスの開発を行った。第一原理計算に基づく材料設計により元素置換や欠陥制御を行い、ナノシート単体として高い誘電率を有する新規ナノシートの開発を行った。Ti_<0.87>O_2ナノシートおよびその関連化合物に対して、元素置換や構造の最適化を行ったところ、ナノシートの誘電特性制御にはTiサイトの一部をNb,Taで置換することが有効であること、これらの系では酸化チタンナノシートを凌ぐ200以上の誘電率を有することを確認した。さらに、本研究で開発した新規ナノシートを用いて、高機能high-κデバイスの作製技術の検討を行った。Langmuir-Blodgett法をベースにした高品位膜の新規成膜手法を開発し、誘電体デバイスの作製に好適な集積化技術を確立した。この集積化技術により、積層コンデンサ、トランジスタなどの雛形デバイスを作製し、デバイスの評価を行った。顕著な特性は積層コンデンサで確認され、積層数や隣接するナノシートの種類を変化させた積層素子では、酸化チタンナノシートの特性を凌ぐ、世界最高の誘電特性、絶縁特性を有するナノキャパシタの開発に成功した。
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