研究課題/領域番号 |
20656114
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安田 弘行 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60294021)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 超弾性 / 格子欠陥 / 電子顕微鏡 / 中性子 / 形状記憶合金 / 金属間化合物 / Fe / Ga |
研究概要 |
Fe_3AlおよびFe_3Ga合金のFe系マルチモード超弾性合金の機能発現機構を解明することを目的とし、平成22年1月28日~1月31日にかけて、茨城県東海村のJ-PARCセンターにあるパルス中性子回折装置「BL19匠」を用いて、その変形挙動の中性子その場観察を行った。その結果、Fe_3Al合金では、引張変形および圧縮変形の過程において、相変態に伴う中性子ピークは一切観察されなかった。したがって、Fe_3Al合金では、転位の可逆運動に由来するAPB擬弾性が生じていることがわかった。一方、溶体化処理を施したFe_3Ga合金を圧縮変形すると、圧縮歪が1%を越した時点で、220ピークよりもわずかに面間隔の大きな回折ピークが出現した。一方、除荷すると、この回折ピークは消滅したことから、溶体化したFe-Ga合金の擬弾性挙動に相変態が関与していることが示唆された。 その場中性子回折以外にもその場TEM、その場EBSP観察を実施した。その結果、例えばFe_3Al合金について、その場EBSP観察を実施したところ、引張変形中のFe_3Al単結晶は常にDO_3構造の菊池線パターンを生じ、相変態の痕跡は一切認められなかった。このこともFe_3Al合金では転位の運動のみが生じていることを意味する。 一方、Fe_3Ga合金の特性改善を目的とし、少量のSiを添加した合金では、形状回復率が著しく低下し、擬弾性の改善効果は残念ながら認められなかった。これに伴い、他の添加元素の効果についても引き続き調査したところ、MnやCrといった3d遷移金属を添加した場合に良好な擬弾性が発現することが明らかとなった。
|