研究課題/領域番号 |
20656115
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
林 重成 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10321960)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 高温酸化防食 / アルミナスケール / 相変態促進 / 金属イオン |
研究概要 |
申請者が提案する耐酸化合金上に形成する保護性に劣る準安定アルミナスケールを早期に保護性に優れたα-アルミナスケールへと相変態させる手法について、これまでに提案した機構の解明を行うこと、安価で安易な手法として電気泳動を用いた酸化物コーティング法を検討する事を目的として研究を行った。 本年度の実験では、相変態促進メカニズム確立のため、母材として不純物元素を含まないPt-Al合金を用いた酸化実験を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて種々の酸化段階のアルミナスケール組織を観察および分析し、以下の結論を得た。 1)コーティングを施さない試料では相変態には時間がかかり、また相変態はスケール/合金母材界面から生じ、それがスケール全体へと進行する。生成したα-アルミナスケールは、比較的粗大な結晶粒から構成される。 2)Niをコーティングした試料では、相変態にはコーティングを施さない試料よりもさらに長時間を有する。また相変態は、スケール/合金母材界面から生じる。また、相変態が生じるまでの準安定アルミナ中には、比較的高濃度のNiが含有しているが、酸化時間の経過に伴うアルミナスケールの厚さの増加によりNi濃度が低下して、相変態が生じる。 3)Feをコーティングした試料では、酸化直後に表面にヘマタイト相が形成し、そのヘマタイト相の下部からα-アルミナが直接析出していることが観察された。このことより、申請者が提案する機構が実験的にも正しいことが証明された。 一方、酸化物コーティング法は、酸化物コーティング膜が目的厚(100nm)よりも厚く、試料の加熱時にコーティングにクラックが生じるとともにはく離が生じたためその効果の実証ができていない。しかし、提案するメカニズムの正当性が証明されたことから、本手法はアルミナ形成合金の新たな耐酸化法となるため、引き続きその手法を検討する予定である。
|