研究課題
挑戦的萌芽研究
CNT一本が熱センサとしてどの程度流体を感知できるのか定量的に調べることを目標として実験システムの開発を行った。昨年度は実験の基本構成として、一本の多層CNTを白金製ナノホットフィルムにつなげた状態で流れにさらされてフィンとして機能するように配置するための技術を開発した。具体的には、シリコン基板上にMEMS技術によって製作した幅400nmの懸架型のホットフィルムの上にCNTを垂直に接合するという技術である。これを用いて、CNTの有無によってホットフィルムの感度がどのように向上するかを調べたが再現性の有る有意な信号変化は得られなかった。なお、流路はPDMSで製作し窒素ガスを用いて最大流速3m/sまでの実験を行った。そこで、CNTの本数を増やすためにホットフィルムの形状を逆V型にして電界を集中させて誘電泳動法を用いたところ多数のCNTを選択的に堆積させることができた。製作したCNT付きのセンサは無しのものに比べて流れに対して優れた応答を示すことがわかった。CNT一本からの信号が弱かった原因として接触熱抵抗に注目し、CNT一本の接触熱抵抗を計測するための実験システムを考案して製作した。今後はこれを用いて世界で初めての接触熱抵抗計測を予定している。また、今年度は多層でなく単層のCNT1本についても流体センサとしての能力を計測するための実験系を開発した。これは、それぞれの間に溝を設けた4本の電極間をブリッジするように単層CNTを直接合成したものであるが、これを用いて4端子法で周囲ガスの有無による単層CNTのI-V特性の変化を調べた。ただし、現在までにブリッジできた単層CNTは半導体ばかりで、その性質ゆえに熱伝達特性の定量的な計測には成功していない。引き続きこれらの実験を信頼性の有るものへ改善していく予定である。
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