研究課題/領域番号 |
20656141
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
趙 孟佑 九州工業大学, 工学研究院, 教授 (60243333)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 帯電 / 微粒子 / 月面 / プラズマ / レゴリス / 浮上 / 月面環境 |
研究概要 |
本研究の目的は、月面機器と月面微粒子の帯電現象と、帯電によって引き起こされる両者の相互作用を数値解析と実験によって調べることである。まずは、様々なプラズマ環境と日照・温度状態の中での帯電電位を数値解析によって明らかにする。その後に、最悪と思われる状況について真空チャンバー内での模擬実験を行い、微粒子が浮上する状態を再現する。2010年度の成果は以下の通りである。 ・真空チャンバー中で微粒子帯電浮上実験を行った。チャンバー内に設置した直径30μmから115μm迄の粒径の揃った3種類のガラス球に電子ビームを照射し、上向きに銅板に数100kV/mの電界を印加したところ、粒子が浮上した。浮上時の運動軌跡から加速度を算出し、微粒子一個あたり、10^<-15>から10^<-13>C程度に帯電していることがわかった。 ・浮上時の電界強度は、重力よりも大きな静電力を与えるものの、浮上のしきい値に必要な電界強度は単純な重力以上の力をもたらしている。粒子間の付着力を考慮すると、逆に浮上時の電界強度を遥かに上回る上向きの静電力が必要であることが見積もられた。 ・高速度ビデオカメラによって浮上微粒子の挙動を観察したところ、粒子単体ではなく、塊となって浮上している様子が見られた。粒子が単体の時は、粒子間に働く力によって粒子は浮上しがたいが、ある程度かたまると粒子間付着力は小さくなる。塊で浮上すると仮定して、浮上のしきい値を計算すると、実験値とよい一致を示した。 ・月面においても同様に、浮上のための力が最小となる塊の状態になって粒子が浮上すると思われる。浮上した粒子が機器表面に再付着する状態について検討する必要がある。
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