研究課題/領域番号 |
20656144
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶海洋工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡村 秀雄 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (90253020)
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研究分担者 |
藤田 浩嗣 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (60199338)
段 智久 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80314516)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | SDEP / 高速溶媒抽出 / ニトロアレーン / 海産発光細菌 / 変異原性 / 生態毒性 / 化学発光検出 / 蛍光検出 / 動物プランクトン / 植物プランクトン |
研究概要 |
1.船舶排ガス由来粒子状物質(SDEP)中の多環芳香族炭化水素(PAH)およびニトロ化PAH(NPAH)の定量 フォークリフトディーゼルエンジン由来の粒子状物質(標準試料:SRM2975)を供試し、ジクロロメタンを抽出溶媒として高速溶媒抽出装置を用いて有機溶媒可溶画分(SOF)を調製し、アミノプロピルカラムおよびアミノプロピルHPLCカラムを用いた2段階処理の後、15種類のPAHおよび11種類のNPAHをそれぞれ定量する分析方法を確立した。標準試料の他に、(1)A重油を燃料とした本学部練習船の煙突付着スス、(2)C重油を燃料とした実験エンジンIの冷却器内部付着スス、(3)A重油を燃料とした実験用エンジンIIからのSDEP、(4)植物油を燃料とした実験用エンジンIIからのSDEPを供試した。総PAH量が多かったのは、(3)>(4)=(2)>(1)の順であった。分析対象としたNPAHの中で検出されたのは1-nitropyreneのみであり、量が多かった順に(2)>(1)>(4)>(3)であった。 2.SDEPが海洋生態系に及ぼす影響および化学的・毒性学的特性の評価 海産発光細菌に対して、4種類のSOFの中で(1)のみが有意な阻害を示した。一方、Salmonella typhimurium NM2009株を用いた変異原性試験では、試料(1)と(2)が直接変異原性を示し、(2)は間接変異原性も示した。変異原性を示した試料(2)、および(2)から調製したSOFにそれぞれ紫外線UV-Cを8時間照射した。SOFに紫外線を照射して8時間後には全PAHの99.9%が分解したが、変異原性に顕著な減少は認められず、また発光細菌への阻害は逆に強まった。スス粒子そのものに同じ強度の紫外線を8時間照射しても、PHA量、変異原性に顕著な減少は認められなかった。以上のことから、紫外線照射によってSDEPに付着する有機有害成分の生物活性を消去することは困難であると推測された。
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