研究課題
挑戦的萌芽研究
ENU mutagenesisによってC57BL/6J系統のマウスから加齢と毛周期に依存して毛色を変化させるマウス新規突然変異体を得ている。この系統は常時黒いメラニンを合成する遺伝的背景(a/a)を持つ。生後すぐの毛を毛周期一回目の毛とすると、4回目の毛周期において突然茶毛色となり、以後黒と茶色の毛色を交互に繰り返す。これまで解析したいくつかの観点から、この変異体は古くから長い周期をもつ生物時計と言われてきた毛周期時計をさらに上位で制御する新たな生物時計の存在を示唆する。昨年来本系統の繁殖率の低下に悩まされてきたが、IVFによるレスキューに成功し、得られた個体群を用いてマッピングを開始することができるようになった。第一回目の解析では、それまで可能性が高いと予想していた染色体には当該遺伝子座が位置しないのではないか、との結果である。現在2回目のIVFによる個体群を用いてその範囲を狭める所まで来ている。また継続してきた組織化学的観察では、やはり多くの臓器で形態学的な特徴が認められ、当該遺伝子座の多面発現として解釈できる。特に皮膚、舌また消化器系でその変化が激しく、それらに共通の機構はなにか、たいへん興味深い。当初予定していたホモ接合体の解析も、当該系統のレスキューに個体を使用したため、まだ解析を始められない状況である。今後引き続きマッピングを進め、候補遺伝子の絞り込みを行いたい。また個体数を多くし、組織化学的解析に再現性があるか否か、さらに観察例を増やしていきたい。
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