研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では、RNAi、自動顕微鏡撮影、自動画像解析、コンピュータシミュレーションを組み合わせ、培養細胞で動原体が核内中央付近に配置する分子機構を明らかにし、さらにその配置の意義を、特に分裂期における微小管との結合効率といった観点から追究することを計画した。前年度までの細胞生物学的実験およびシミュレーションにより、ショウジョウバエ培養細胞において動原体が核中央付近にクラスター化していることを見出したが、このクラスター化の度合いと分裂期における微小管との結合効率に正の相関は認められなかった。平成21年度は、本計画のもうひとつの目標である自動画像解析と顕微鏡観察の自動化について研究を進めた。我々は、地元ガラス会社等の協力を得て、敷居を取り除いて96細胞サンプルを貼付けることのできる巨大なプレパラートを作成した。このプレパラートを用いると、対物レンズがサンプル間を移動する際に自動焦点装置が作用し続けることができ、複数サンプルの自動イメージングが可能となった(通常の96穴プレートでは、サンプル間にあるプラスチックの敷居が自動焦点装置の作用を中断させてしまう)。本システムを用いて、ショウジョウバエS2細胞の12サンプルについて、スピニングディスク型共焦点顕微鏡、100倍油浸レンズを用いて300の2色画像をわずか15分でイメージングすることに成功した。また、顕微鏡で撮影した核シグナルを目動認識しシグナル強度を測定するコシピュタープログラムも作製した。以上の成果は、自前の顕微鏡を用いた自動イメージング、自動画像解析を可能とするテクノロジーの基盤となる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (10件) 備考 (2件)
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