研究課題/領域番号 |
20657016
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
峰雪 芳宣 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (30219703)
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研究分担者 |
山内 大輔 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 准教授 (40220222)
唐原 一郎 富山大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60283058)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2008年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 種子発芽 / X線CT / シロイヌナズナ / ミヤコグサ / タマネギ / イネ |
研究概要 |
X線CTは、生きたままの個体の断層写真が見られる点で、重要な技術である。最近のX線CTは、個々の細胞あるいは、細胞下のレベルを判定できる分解能に迫って来ている。そこで、本研究ではSPrine-8のX線を使ったCTが、種子発芽過程の重要な現象を捉えられるかどうか検証した。種子発芽は植物の成長過程の一つである。種子は堅い種皮に囲まれ、ほとんど水分を含んでいない状態から開始するので、種子発芽は植物の成長過程の観察の最も難しい時期であり、細胞レベルでの現象は意外に分かっていない。本年度は、マメ、タマネギ、シロイヌナズナ、イネの乾燥種子および、発芽(出根)直後の材料を使用し、SPring-8のL20B2ビームラインを用い、試料を回転しながらX線を照射し、ピクセルサイズ2.4μmあるいは4.9μmの連続画像を取得した。得られた画像からトモグラムを作成し、IMODソフトを使用して種子やその発芽と実生の成長過程での構造変化について追跡を試みた。ミヤコグサ種子では、子葉の維管束より背軸側にX線の透過しにくい結晶を持つ細胞が並んでいる。組織化学的な検討の結果、この結晶はシュウ酸カルシウムの結晶で、種子形成時に出現し。子葉が展開しても残っていることがわかった。また、イネ一次根における通気組織の非破壊的な観察を試みた結果、破生通気間隙形成の開始部から基部にかけて通気組織の三次元的なつながりを捉えるとともに,その全体像をほぼ丸ごと捉えることに成功した。これらの結果は、X線CTが、植物種子や実生の初期の発生過程の構造解析に有効であることを示唆している。
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