研究課題/領域番号 |
20657017
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 京都大学 (2009) 大阪市立大学 (2008) |
研究代表者 |
沼田 英治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70172749)
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研究分担者 |
志賀 向子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90254383)
後藤 慎介 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70347483)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 行動生理 / 環境適応 / 概潮汐リズム / 概日リズム / RNA干渉法 / 時計遺伝子 |
研究概要 |
マングローブスズの成虫は約12.5時間周期の明瞭な概潮汐活動リズムを示し、それに加えて昼間の活動を抑制する概日リズムを示す。前者では水没刺激が、後者では明暗サイクルが同調因子になっている。昨年度、マングローブスズの概日時計遺伝子periodをクローニングし、その一部配列に相当する2本鎖RNAを合成し、成虫に注射することによってperiod遺伝子の発現抑制(RNA干渉法)を行った。その結果、概潮汐活動リズムの発現およびその自由継続周期には影響はなかったが、それを修飾する概日リズムが消え、主観的明期と主観的暗期の活動量の違いがみられなくなった。 本年度は、前年度と同じ24時間周期の明暗サイクルのもとで飼育して2本鎖RNAを注射後全暗に移すという実験条件で例数を増やすとともに、データ解析方法を検討して、概日成分の有無を判定する方法をより客観的なものとした。さらに、概潮汐リズム周期の2倍から離れた23時間周期の明暗サイクルのもとで2本鎖RNAを注射してそのままの条件におくことによって、より概日成分と概潮汐成分を区別しやすい実験方法を考案した。それらの結果は、マングローブスズの概潮汐リズムは、period遺伝子の関係する概日リズムとは異なる分子機構によりもたらされていることを強く支持している。これはこれまで未知であった概潮汐リズムの分子機構に関する知見であり、今後概日リズムと概潮汐リズムの進化を考えるための足掛かりとなる成果である。
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