研究課題/領域番号 |
20657023
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
佐伯 和彦 奈良女子大学, 理学部, 教授 (40201511)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 光合成細菌 / 微好気条件 / タンパク質精製 |
研究概要 |
本研究では、光合成細菌が暗所・微好気条件下でも多量の細胞内膜陥入構造(クロマトフォア)を形成し大量の光化学系関連の膜タンパク質を蓄積しうる点に着目して、膜含量自体を増大させた上で光化学系の替わりに外来の膜タンパク質を安定かつ多量に発現させることを目指した。Sec分泌系を用いて発現させた場合に引き起こされる基質輸送体や電子伝達系、ATP合成酵素などの機能発現との競合を避けるために、膜配置・分泌シグナルとして、枯草菌由来のMISTIC(Membrane Integrating Sequence for Translation of Integral Membrane Protein Constructs)タンパク質を用いることとし、MISTIC人工遺伝子を光合成細菌Rhodobacter capsulatusのコドン頻度に合わせて作製した。クロマトフォアを形成しない好気条件下で目的の膜タンパク質を発現せず、微好気条件でのみ多量に発現させるために、酸素分圧の低下により制御を受けるpufプロモーターを人工遺伝子の上流に配置した。また、下流にはρ因子非依存性の転写終結を惹起する人工配列を配置した。なお、産物のアミノ末端側にヘキサHis配列とカルボキシ末端側に血液凝固系のタンパク質分解酵素トロンビン認識配列などを付加して、発現させる膜タンパク質の精製を容易にした。人工遺伝子とのin-frame融合により、GFPならびにR.capsulatus自身のRnfの過剰発現を確認した。安定発現のため宿主にpuhBとdegPの変異を導入したが、効果は限定的であった。また、長時間の培養時に宿主株の示す溶菌傾向に変化は認められなかった。一方、膜画分から標的タンパク質を可溶化・精製の際に、カロチノイド色素が標的と類似の挙動を示した。今後、溶菌傾向と色素生成能を軽減させた株を作出する必要が有る。
|