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時計システムがいかにして脳高次機能を制御するか

研究課題

研究課題/領域番号 20657026
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 機能生物化学
研究機関東京大学

研究代表者

清水 貴美子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (50451828)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード概日リズム / 記憶 / 情動 / SCOP / K-Ras / 新奇物体認識テスト / 海馬 / 惰動 / 扁桃体
研究概要

交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。
1.前年までの成果より、主観的夜に長期記憶形成効率がよく、主観的昼に効率が悪くなる結果が得られていた。この長期記憶形成の時刻依存的変化におけるSCOPの機能を具体的に示すため、レンチウイルスを用いて海馬CA1領域特異的にSCOPのノックダウンをおこなった。正常マウスにおいて長期記憶効率が良い主観的暗期に、記憶効率の測定をおこなうと、SCOPノックダウンマウスの長期記憶効率は顕著に減少した。SCOPノックダウンマウスの短期記憶形成効率は時刻に関わらず正常に形成される。以上のことから、記憶を長時間保持するための固定化に関わる経路に、SCOPが時刻依存的に関与していることが考えられた。また、海馬のSCOP蛋白質量は主観的暗期に高く、K-Rasとの結合がおこなわれる膜Raftsに注目すると、SCOP量の時刻依存的な変化は非常に顕著であった。以上のことからSCOP蛋白質量の時刻依存的な変化が、K-Rasを介して長期記憶の効率を調節していると考えられる。
2.概日時計からのリズムのアウトプットとSCOPとの関わりを探索するため、培養細胞内のSCOPをノックダウンし、細胞が持つリズムへの影響を、レポーター遺伝子を用いて検討した。SCOPノックダウンにより、細胞の概日リズムの振幅は小さくなり、また周期は長くなる傾向が見られた。SCOPが概日リズムのアウトプットにおいてリズムの増幅効果を持つこととリズム周期の調整に効果を持つことを見出した。
3.SCOP過剰発現マウスの不安様行動を測定した。過剰発現マウスでは野生型に比べ不安様行動が大きい傾向がみられた。ただし、実験の性格上個体差が大きく、例数の追加と、ノックダウンやノックアウトマウスを用いて更なる実験検討が必要である。

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2010 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] SCOP/PHLPP and its functional role in the brain2010

    • 著者名/発表者名
      Kimiko Shimizu
    • 雑誌名

      Molecular Biosystems 6

      ページ: 38-43

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Approach for molecular mechanisms between circadian clock and long-term memory2009

    • 著者名/発表者名
      小林洋大
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-12
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] Approach for oscillator mechanism of circadian clock in fibroblasts by knockdown of SCOP2009

    • 著者名/発表者名
      小林大起
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-09
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] Approach for photic entrainment mechanism of circadian clock via SCOP related signaling2009

    • 著者名/発表者名
      清水貴美子
    • 学会等名
      Society for Neuroscience
    • 発表場所
      Chicago, USA
    • 年月日
      2009-10-20
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] Molecular approaches to circadian regulation of the memory for novel objects2009

    • 著者名/発表者名
      清水貴美子
    • 学会等名
      日本神経科学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-09-17
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] K-Ras制御因子SCOPを中心にみた記憶形成のサーカディアン制御機構2008

    • 著者名/発表者名
      清水貴美子
    • 学会等名
      平成20年度特定領域研究「統合脳」冬のシンポジウム
    • 発表場所
      東京(学術総合センター)
    • 年月日
      2008-12-13
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] マウス視交叉上核におけるSCOPタンパク質量の光制御とその役割2008

    • 著者名/発表者名
      清水貴美子
    • 学会等名
      BMB2008(第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸(神戸ポートアイランド)
    • 年月日
      2008-12-12
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] 概日時計が長期記憶形成を制御する神経システムへの分子的アプローチ2008

    • 著者名/発表者名
      小林洋大
    • 学会等名
      第15回日本時間生物学会学術大会岡山
    • 発表場所
      岡山大学創立50周年記念館
    • 年月日
      2008-11-08
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] K-Ras制御因子SCOPとその長期記憶形成への関与2008

    • 著者名/発表者名
      清水貴美子
    • 学会等名
      CRESTセミナー
    • 発表場所
      仙台(東北大学星陵キャンパス)
    • 年月日
      2008-09-05
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] K-Ras制御因子SCOPを中心にみた記憶形成のサーカディアン制御機構2008

    • 著者名/発表者名
      清水貴美子
    • 学会等名
      平成20年度特定領域研究「統合脳」夏のワークショップ
    • 発表場所
      札幌(北海道厚生年金会館(ウェルシティ札幌))
    • 年月日
      2008-08-07
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/fukada-lab/

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/fukada-lab/

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2016-04-21  

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