研究課題/領域番号 |
20658016
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
南條 正巳 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60218071)
|
研究分担者 |
高橋 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (80132009)
菅野 均志 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (30250731)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 肥料 / リン / アブラナ科 / 根伸長 / 黒ボク土 |
研究概要 |
一般に、リン固定力の強い土壌において、高いリン利用率と十分な作物生育の両立は難しい。しかし、2008年のポット試験において、ダイコンにリン酸二水素カルシウム-アルギン酸ゲルビーズ(DCPD-GB)を用いると、高いリン利用率と十分な生育の両立する可能性が示唆された。そこで、2009年は、未耕地の非アロフェン質黒ボク土を作土とし、より生産現場に近い木枠試験においても、ダイコンのリン獲得根伸長によるリン利用率の向上と十分な生育が両立するかどうかを検討した。リン酸肥料としてDCPD-GBと被覆リン酸一安(POC-MAP)を用いた。 ダイコンは無リン区でごく小さく、リン施肥量に対応して大きくなった.春作における個体当たりのP_2O_5施肥量1.0,2.0g区、秋作の同0.75,2.Og区で収穫時における主根の直径は7cm以上となり、十分な生育の目安を超えた.DCPD-GBを用いた春作の差し引き法によるリン利用率は施肥量あたり、溶出量あたり共に42%以上と高い結果になった。秋作のPOC-MAPではリン溶出率が50%弱であったため施肥量あたりの利用率は28~42%とやや低かったものの、溶出量あたりの利用率は61~91%と高い値を示した。これらの高い利用率はDCPD-GB,POC-MAPにダイコンの側根の一部が巻き付くように発達するリン獲得根伸長のためと考えられた。POC-MAPでは幅広く散布したことによって肥料1粒に対する根の集中度が高まり、溶出したリンの多くを吸収できたためと考えられる。以上の条件で、リン固定力の強い当土壌でも高いリン利用率と十分な生育が両立した.DCPD-GBの実用化にはDCPD濃度を高める検討が必要である。POC-MAPは溶出率の向上が必要である。
|