研究課題/領域番号 |
20658051
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
米倉 等 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40312623)
|
研究分担者 |
冬木 勝仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (00229105)
川島 滋和 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (80404846)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 農業経済学 / アジア地域研究 / 農村開発 / 畑作物 / コミュニティ / セーフティネット / 市場 / 流通 / 畑作地帯 / ジャトロファ / バイオディーゼル / 農業の多様化 / 市場流通機能 |
研究概要 |
市場および流通機能の役割を明確にし、それを実証的に示すことを目的として研究を実施した。2年度目の準備期間を経て3年度目には、東ジャワ・マラン県ワジャツ郡の畑作貧困村において、調査票を用いて100軒余の集落世帯調査を行った。同時に農産物の流通に関するケーススタディの準備をしたが、この課題に関しては震災の影響を受けてフィールドでの最終調査が行えず、4年度目に延長して実施せざるを得なくなった。 野菜が畑作農家の経済条件の改善に効果を上げている点に注目して、マラン県プジョン郡のマントン市場を中心に調査を行った。経済発展により都市地域を中心として需要が急増し、加えて、いたみやすい野菜の商品特性のため流通システムの整備は喫緊の課題とされ、農業省を中心にパイロットプロジェクト的に産地出荷市場の整備が行われつつあることが分かった。農村内部の集荷は伝統的な半農半商の商人によるところが大きいが、出荷量を確保するなどのため、土地と労働力を雇用し自ら野菜栽培するケースが多く、野菜需要が農村に与えた大きな変化であることが分かった。政府は、単に市場施設を提供すること、各産地市場の価格情報を商人に提供するといった基本的な市場支援的活動にとどまっていた。 ジャトロファ、トウモロコシ、野菜といった本研究が注目した培作物は、畑作農村・農家経済を改善するプラスの要素である。しかし他方、畑作農村を考える上ではセーフティネットについても考慮する必要があり、その代表例が、米という基本的食糧が不足がちな農村地域で、政府が実施する低価格米供給プログラムである。特定の貧困食糧不足世帯以外の世帯にかなり高い比率で低価格米が支給されており、脱漏の多いプログラムであることが明らかになった。脱漏は、農村コミュニティの役割が発揮された結果でもありコミュニティ機能は、セーフティネットの領域で主に作動していることが明らかになった。
|