研究課題/領域番号 |
20658068
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
種村 健太郎 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (20332322)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 集団化 / 社会性行動 / 適応行動 / 認知機能 / 脳 / マウス |
研究概要 |
社会共生系はコミュニケーションを基盤とした持続的な個体間の相互作用場面であり、「個体」の連鎖によって「集団」という社会共生系が形成される過程には、「個体」の「他個体」に対する適応が多面的に生じる必要がある。本研究では「集団」形成メカニズムの解明を目的として、動的モデルとしてマウスを用い、社会共生系形成過程における「個体」の適応に伴う脳構造および脳高次機能に生じる経時的変動パターンと、「集団」としての成熟度との相関関係について統合的に解析することを目的として、雄C57BL/6マウスを用いて生後4週齢から生後8週齢まで単飼い(1匹/ケージ)及び群飼い(4匹/ケージ)することによって、単飼いマウスと群飼いマウスとを用意し、オープンフィールド試験、明暗往来試験、条件付け学習試験によるバッテリー行動解析を行った。その結果、群飼いマウスに比較して単飼いマウスは多動傾向にあり、かつ記憶能が低いことを明らかにした。また単飼いマウス4匹を一つのケージに同居させることによって集団形成を行ったところ、低照度(35ルクス)飼育環境下において、群飼い開始3-5日後に集団形成度が上昇し、群飼い開始8日後には群飼いマウス同様の集団形成度となることをケージ内社会行動量測定によって明らかにした。さらに、集団形成後の単飼いマウスは、上記のよるバッテリー行動解析による逸脱行動が生じず、群飼いマウス同様の行動様式を示すことを突き止めた。以上の結果から、「集団」形成に対応して、「個体」の行動様式が変化することが明確に示されるとともに、それらは情動機能や認知機能の改善と判断できることから適合行動の発達を包括することが示唆された。また、海馬を用いた網羅的遺伝子発現解析から、「集団」形成時に、神経細胞突起の伸張に影響が生じていることが示唆された。
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