研究課題/領域番号 |
20659047
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
寺岡 弘文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30019137)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ES細胞 / 奇形腫 / ゲノム安定化 / DNA損傷応答 / 再生医療 / DNA2重鎖切断 / DNA複製ストレス / がん幹細胞 / ゲノム不安定化 / DNA修復 |
研究概要 |
多能性幹細胞であるES細胞やiPS細胞の臨床応用においては、多種多様な細胞系譜への効率的な分化誘導法の確立と共に、それらのゲノム・エピゲノム安定性維持が不可欠である。本研究では、「ES細胞が奇形腫を形成する過程およびin vitroでの増殖・分化過程におけるゲノム不安定化とその機構、ならびにその制御」の解明を目的とする。21年度で解明された成果とその意義を以下に列挙する。 1.マウスES細胞をある条件下で継代培養すると、初期にDNA2重鎖切断が生じ、染色体不安定化・増殖停止が認められ、その後パイルアップコロニーが形成される。このコロニーを形成する形質転換細胞は、p53に変異が導入され造腫瘍能も高く、がん幹細胞様細胞と考えられる。ES細胞を幹細胞のモデルとして、幹細胞からがん幹細胞が直接生じることが示唆された。がん幹細胞の研究においても興味深い。 2.ES細胞に特異的に発現し、奇形腫の発生とも関わる、恒常活性型のERasの転写制御について、プロモーターを同定し、Nanogが転写制御に関わることを明らかにした。さらに、イントロン1に強力なエンハンサーの存在することが判明した。ERas転写制御機構を明らかにした意義は大きい。 3.ES細胞に高発現している機能未知の遺伝子の1つであるDPPA4は活性クロマチンに結合し、ES細胞のstemnessに関わっていることは既に明らかにした。今回、DPPA4タンパク質はN末端側でDNAとC末端側でコアヒストンH3と結合し、リンカーヒストンH1と類似のmobilityを示すことを解明した。DPPA4がES細胞のクロマチン構造を変換させることが示唆された。
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