研究課題/領域番号 |
20659049
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
原 英二 財団法人癌研究会, 癌研究所がん生物部, 部長 (80263268)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 癌 / 老化 / イメージング / シグナル伝達 / ストレス |
研究概要 |
本研究では我々がこれまでに開発してきたp53活性イメージングマウスに様々な食品添加物を摂取させることにより、それらの食品添加物が生体に与える発癌リスクを迅速かつ正確に評価する新しい発癌リスク評価ステムの開発を目指して、次の実験を行った。(1)ras遺伝子に変異を導入することが知られている発癌物質(7.12-dimethylbenz(a)-anthracene(DMBA))をp53活性イメージングマウスの皮膚に投与し、発癌リスクと発光強度との関係を調べたところ、良性腫瘍であるパピローマの形成とともに発光シグナルが顕著に増強することが確認された。また、azoxymethan(AOM)を腹腔に注射後、dextran sulfate sodium(DSS)を飲水を通して20週間摂取させた場合も、大腸に良性腫瘍が形成されるにつれ発光シグナルが顕著に増大することが確認された。これらの結果から、このシステムを用いることにより発癌リスクをインビボイメージング可能であることが分かった。(2)p53活性イメージングマウスに市販されている高濃度のDAGを含む調理油を長期間摂取させる過程で、発光シグナルの変化をインビボイメージングにより解析した。その結果、通常の調理油を摂取した場合に比べて顕著な差は認められなかった。これらの結果から、現在市販されている高濃度のDAGを含む調理油はp53活性を上昇させるような発癌ストレスを誘発する可能性は低く、発がんリスクは低いと判断された。また、これらの結果は本システムの発癌リスク評価方法としての有用性を強く示している。
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