研究課題/領域番号 |
20659054
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野口 雅之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00198582)
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研究分担者 |
南 優子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (20466676)
加野 准子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60334059)
臺 勇一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (10532509)
稲留 征典 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50375490)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 胎児抗原 / ミニブタ / モノクローナル抗体 / 免疫染色 / 血清診断 |
研究概要 |
癌の診断や治療をより効率的に行うためには、癌にのみ発現しているような胎児性蛋白を標的マーカーとして診断や治療に用いることがで効果的である。そこで悪性腫瘍の中でも特に死亡数の多い肺腺癌が異的に発現している胎児性蛋白を網羅的に探索し、診断や治療に有用な新しいマーカー蛋白を見出す研究を行った。 ヒト胎児を用いた研究は倫理的に問題があるため、ブタ胎見の肺の凍結材料から抽出した蛋白を免疫原としてマウスの腹腔に免疫し、モノクローナル抗体を多数作製した。スクリーニングのために、ブタの成体肺と胎児肺を載せた組織アレイと、ヒトの肺腺癌6例、肺肉腫1例、および正常肺を載せた組織アレイの計2種類の組織アレイを作製した。スクリーニングには自動疫染色装置を用いた免疫染色を用い、腫瘍に特異的に応する抗体を産生するクローンの選別を行った。 その結果、ブタ成体肺に陰性で胎児肺に陽性を示し、ヒト肺組では癌組織に特異的に陽性を示す11クローンを選別した。中でもの間質に選択的に応るD-7クローンは、正常肺では静脈壁に陽性を示すが、肺胞部分は陰性で、間質性肺炎の症例や肺腺癌細胞株でもほぼ陰性であることから癌の間質だけに特異的に陽性を示すことが確認できた。なお、肺腺癌の前癌病変として知られている異型腺腫様過形成の間質では陽性率が低く、また癌が進展するに従って陽性率が高くなる傾向が見られた。D-4抗体は肺腺癌の診断や悪性度判定に応用できるマーカーに成りえる抗原を認識する抗体である可能性が示された。D-7抗体が認識する蛋白質はウエスタンブロット法による解析で約30kDaの分子量を持つことが分かった。現在更なる抗原解析を実施している。
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