研究課題/領域番号 |
20659068
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
天児 和暢 九州大学, 医学研究院, 名誉教授 (20078752)
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研究分担者 |
飯田 健一郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (00346777)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | らい菌 / 培養 / 試験管内増殖 / ライ菌 / 試験管内培養 / Thai-53株 / 長期間培養法 / 非ライ菌性の抗酸菌 |
研究概要 |
出発材料はハンセン研より分与されたヌードマウスに接種したらい菌である。足蹠より分離した菌を低融点アガロース(3%)と混合して培養ボトルに入れ、固化後に培養栄養液を加え30℃で培養する。培地交換は7~10日に一回。菌の増殖は寒天を溶かした後に遠心で菌を集め、染色後顕微鏡下で菌数を数える。計数はハンセン病研究で常用されている方法に準じて行った。使用培地はKi-rchner培地を基礎としたNK260培地を用いた。これに更に追加補完する栄養素として豚肝臓エキス、マウス足蹠抽出物、M. phlei培養液、ヒアロウロン酸を使用した。対照実験としてKirchner塩溶液、リン酸緩衝液での培養を実施した。培養期間は3~5ヶ月である。このため一年間に2~3回の培養実験しかできないので、昨年度の成果と伴に報告する。2年間で6回の培養実験を実施した、そのうち5倍以上の増加を見たのは1回のみで、他は2~3倍の増加に留まった。途中他の抗酸菌の混入で中断した実験が2回あった。混入抗酸菌は添加物の卵黄抽出物からであることが分かったので、その後混入は防止されている。対象の塩溶液での培養では菌の増加は観察できなかったので、らい菌は試験管内でも僅かに増えながら生存してはいるが、普通の細菌のように対数増殖はしていないと考えられる。以前行った電顕観察でマウス組織内で増殖したらい菌の多くが変性死していることが明らかになっている。この現象は恐らく培養した菌でも起こっていると思われる。培養した菌は菌数が少ないので、まだ電顕での観察が出来ていない。この現象を培養実験で確認するためreal time PCR技術を用いた遺伝学的な証明が必要であろう。これまでの培養実験からの結論は、「培養は出来ているがその結果を従来の細菌学的培養証明法では証明できない状態にある」と言うことである。
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