研究課題/領域番号 |
20659069
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
城武 昇一 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (20143274)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | ナノ材料 / 抗生物質耐性菌 / 感染症 / 抗菌薬 / 消毒薬 / 予防薬 / ナノ医療 |
研究概要 |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)など抗生物質耐性菌に対する抗菌活性(NCCLSに準拠したMIC, MBC)を指標に、外科的用瞬間縫合剤のn・Butylcyanoacrylateを用いて抗菌ナノ粒子を合成してその抗菌活性をスクリーニングした。 重合安定剤に各種の糖類(多糖および単糖の混合物)を加えて反応溶液のpH変化と共に求核置換反応の速度調節によって、粒子サイズと網目構造の異なるアクリル系ナノ粒子を467種類合成することが出来た。合成条件と抗菌活性との関連をスクリーニングして医薬品候補物質を絞り込み、その抗菌機序を明らかにすると共に、VRE感染マウスを作製してそのin vivo抗菌活性を探索した。 走査型および透過型電子顕微鏡電顕を用いてナノレベルに於ける菌の形態変化を観察すると、本抗菌ナノ構造体は菌の細胞壁ムレインと特異的に接合して細胞壁合成を阻害し、菌体細胞壁はその接合面における局部的弱体化を生じて、細菌は遂に溶菌することを可視化によって証明した。その抗菌活性はグラム陽性菌・抗生物質耐性株あるいは感受性株の両者に対し同等の抗菌力を示し、さらにVRE感染マウスにおける感染前投薬試験によって、治療薬ばかりか感染予防薬として実用化できる目途が判明した。 本研究によって、本ナノ構造体は今までの抗生物質とは全く異なった抗菌機序を持ち、抗生物質多剤耐性機構を超越した新しい薬としての実用化研究が拓かれた。
|