研究課題/領域番号 |
20659086
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
河村 修二 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10380007)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 標的療法 / ペプチド / ナノバイオ / 循環器 |
研究概要 |
Coxackie virus V3(CVB3)は心筋炎や膵炎を特異的に起こすウイルスである。CVB3のカプシド蛋白の一部と、CVB3の受容体であるCoxackie virus-Adenovirus receptor(CAR)の結合様式を検討することで、心臓特異的な結合に関与するペプチド配列を見出し、これを利用することで心臓特異的なデリバリーシステムの作成を試みた。推定されるペプチド配列を合成し、これを蛍光物資であるQdotに結合させ、マウスの尾静脈から投与し、2時間後に各臓器での分布状況を蛍光顕微鏡で観察した。ペプチドを結合させないQdot投与では、脳をのぞくほとんどすべての臓器に非特異約に分布が確認された。一方、上記ペプチドのいくつかを結合させたQdotの投与では、心臓における蛍光強度の増強がみられ、反対に肝臓や腎臓といった心臓以外の臓器での蛍光強度が低下するものも確認された。しかしながら、ペプチド非結合型のQdotによる非特異的分布を排除するため、本年度はペプチド結合したQdotのみを精製する方法を模索した。当初ゲルによる分離精製を試みたが、Qdotはスメアをひいてしまい、トリシン緩衝液などを用いた分離も試みたが不成功に終わった。次いでペプチドに対する抗体を作成し、カラムによる分離を考えたが、数十種類のペプチドに対してそれぞれ抗体を作成することは、時間的/費用的にも非現実的であるため、現在はHPLCによる分離精製が可能か準備を進めているところである。以上のように、ある程度の成果は得たが、残念ながら当該研究期間終了となってしまった。しかし、今後も本研究は可能な限り継続していく予定であり、少なくとも基礎研究レベルで使用可能となる製品化まで開発を続けるつもりである。
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