研究概要 |
(1)2次元プローブの配置の検証 2次元プローブの配列となる超音波素子の配置形態は,対象物の大きさ,硬さ,距離,そして照射する超音波の周波数と重要な関係がある。そこで2次元プローブ内の超音波素子間の干渉や虚像の発生との関係の確認を行った。その結果,超音波素子の増加に伴いその反射波の弁別を行う必要が生じた.素子間の周波数変化や変調,偏波などを試みたが干渉波の低減にはつながらなかった.そのため時間区分による超音波の発信制御による干渉の低減を試みる必要がある.また,干渉を低減させるためのプローブの配置も検討の余地がある。 (2)観測部位の深度による検証 周辺組織と形状や硬さの異なる組織が隣接している場合識別には,位置関係にずれが発生し画像として表示されない場合も考えられる。この現象は2次元配置したプローブを持つ本研究の装置では,平面画像として前面に映し出された背後の組織の画像観察時に影響することになる。検証の結果組織の識別反射よりも緩衝像が発生しプログラム的に回避することやプローブの配置が課題となった。 (3)断層像描画機能とドップラー機能との併用による検証 深部血管や心臓部位の血流ドップラー計測において,本研究では,3次元立体表示,および水平断層機能による血管の走行性の描画に血流ドップラー機能を組み合わせることにより,超音波画像化の血管走行性の描画と血流計測の両立を検証した。この検証では,3次元表示に要する演算速度が血流速度を上回る必要があるが,本研究作成したシステムの処理速度では,3次元的に血流をリアルタイムで表示するには十分でなかった.この結果より,演算速度を向上させるアルゴリズムあるいは,コンピュータの処理速度の向上が課題となった。
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