研究課題/領域番号 |
20659116
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
坂井田 功 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80263763)
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研究分担者 |
寺井 崇二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00332809)
内田 耕一 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (80397992)
山本 直樹 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90448283)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | メダカ / NASH / 高脂肪食 / 薬剤スクリーニング |
研究概要 |
メダカにハイファットダイエット(HFD)食投与することでまずNASHモデルを作成した。HFD食投与後2週目にはメダカ肝細胞内にFli脂肪滴を認め、4、8週目には脂肪沈着は著明となり、肝細胞の風船様変化等ヒトNASHに類似した組織像を認めた。D-PAS染色の解析では、時間経過とともにD-PAS陽性細胞は増加し、時間経過とともにNASH score(NAS)の上昇を認めた。またメダカの採血方法を昨年度で確立させたので,肝機能・脂質など様々な項目を測定し,このモデルにおいて肝機能障害,血糖値の上昇,中性脂肪・総コレステロール等の上昇を確認できた。今回、出生後3ヶ月のcabメダカにHFD32を4週間与えて作成したメダカ脂肪肝モデルを作成し、AT2拮抗剤であるテルミサルタンの投与を開始し、HFD+テルミサルタン(Tel投与)群とHFD投与群で様々な比較検討を行った。また血管観察モデルのFLi-GFP TGメダカも用いて解析するとともに、Tilling法にてTGF-betaの下流の分子のMaidのゼブラフィッシュの変異体のスクリーニングも実施した。(結果)テルミサルタン(Tel)群では脂肪化、炎症細胞浸潤のいずれにおいても、HFD群を比較して抑制効果を認め、NASについてもscoreを減少させた。血液検査データ(ALT、TG)については、HFD群とTel群両群で、差を認めなかった。CD68免疫染色ではHFD群において、風船様変化を呈した組織に陽性細胞を観察した。同組織におけるTUNEL染色ではapoptosis細胞は優位ではなかった。8OHDG免疫染色ではHFD群で陽性細胞を認め、Tel群では抑制されていた。TUNEL染色では脈管周囲に陽性となる細胞を認めた。Tel群ではHFD群と比較し、apoptosisは抑制されていた。RT-PCR解析では、Tel群でPPAR-γの発現が増加していた。DNA-chip解析では、酸化ストレスやERストレスに関連した遺伝子の増減変化を確認した。RT-PCR解析では、GRP78あるいはGRP94についてはHFD群、Tel群でその発現に差はなく、splicing-XBP1についても両群で2週目にその発現が増加していた。脂肪酸合成系酵素であるACCの発現は両群で低下していた。一方、β酸化系酵素であるCPT1・ACO1についてはHFD群と比較しTel群で増加していた。今回の解析ではテルミサルタン投与によってNASHの病態を抑制する可能性が示唆された。一方でNASH病態の進行に伴い肝血管系の変化を確認した。
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