研究課題/領域番号 |
20659119
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
奥瀬 千晃 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00318940)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / DNAメチル化 / Woodchuck hepatitis virus |
研究概要 |
【背景】多段階発癌におけるEpigeneticな異常すなわち癌抑制遺伝子プロモーター領域のメチル化は、その発現を抑制することで、 IGF2遺伝子のloss of imprintingはその過剰発現を誘導することで発癌の原因として関与する。多段階発癌をきたす肝細胞癌においても発癌過程においてEpigeneticな異常、すなわちDNAメチル化異常の関与が推測されるが、十分な検討はなされていない。【目的】Woodchuckは構造および増殖サイクルがHepatitis B virusに類似したWoodchuck hepatitis virus(WHV)に感染し、感染後2-4年で肝細胞癌を発症することが知られている。これらの組織を用い、網羅的メチル化解析を行うことで、正常肝から肝炎、ひいては肝細胞癌発症に至る遺伝子のEpigeneticな異常を経時的に捕らえることが可能となり、肝細胞癌発癌に特異的に関与するEpigeneticな異常の抽出をする。【方法】臨床HBV感染肝癌症例におけるエピジェネティックな異常(特にDNAメチル化異常)を癌部、非癌部を用いることによりMSP法にて比較検討し、既報告の検証解析を行う。 B型肝炎ウイルスおよびWHVに共通のウイルス側CpGアイランドを解析し、ウイルス側遺伝子CpGアイランドにおけるDNAメチル化の異常を解析する。【成績】臨床HBV感染肝癌症例におけるMSPを用いたDNAメチル化異常の検討ではSFRP1、 p16、 APC、 GSTP1、 SFRP1、 SFRP2、 SFRP5におけるDNAメチル化の検討をMSP法により行った。以下に示すように非腫瘍部と比較して腫瘍部で高度メチル化を認めた。 WHVにも、X遺伝子のプロモーター領域にCGリッチなCpG islandが存在することを我々は発見し、この部位の塩基配列はヒトB型肝炎ウイルスと非常に相同性が高いことが判明したことから今後、 WHVおよびWoodchuck肝組織を用いた検討を行う。【結論】肝細胞癌発癌機序にDNAメチル化異常が深く関与する可能性が示された。
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