研究課題/領域番号 |
20659141
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40183305)
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研究分担者 |
三野原 元澄 九州大学, 大学病院, 特任講師 (70398113)
河村 信利 九州大学, 大学病院, 講師 (00432930)
土井 光 九州大学, 大学病院, 医員 (30423552)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ギランバレー症候群 / Campylobacter jejuni / Dps / 軸索傷害 / Naチャンネル / ギラン・バレー症候群 / Caspr |
研究概要 |
本研究では、軸索型ギラン・バレー症候群(GBS)発症予測、並びに迅速診断のためのC-Dps検出システム開発を目指している。我々は、ラット坐骨神経にC-Dps蛋白を直接的に注入することで、末梢神経伝導検査での伝導速度には変化は認められないものの、近位側刺激でのcMAPと遠位側刺激でのcMAPの比率が低下すること、そして末梢神経のランビエ絞輪部におけるNaチャンネル、並びにCasprの染色性の低下がこれに関与することを報告している。本年度は患者血清中のC-Dps蛋白をSandwich ELISAにより検出するシステムを開発した。我々が作製したC-Dpsモノクローナル抗体(25G/IgG2b)をperoxidase標識を行い、エピトープの異なる抗C-Dpsモノクローナル抗体(16A)をELISAプレートに5μg/mlで固相化した。患者血清を50μl/wellでincubationし、洗浄後にHRP標識抗c-Dps抗体(25G)を用いて検出した。対象はCampylobacter jejuni(C. jejuni)感染後GBS患者24名、呼吸器感染後GBS患者16名、Fisher症候群患者6名、C.jejuni腸炎患者5名、健常者21で検討を行った。Cut-off値を44.5ng/mlとした場合、C.jejuni感染後GBS患者では5名(20.8%)で陽性であったが、呼吸器感染後GBSやC. jejuni腸炎患者、健常者、Fisher症候群では認められなかった。以上の結果は、C. jejuni感染後GBS患者では腸炎後に体内にC-Dps蛋白が侵入していることを示している。C-Dps蛋白は末梢神経への直接的な伝導障害を有することからも、C. jejuni感染後GBSの病態形成に体内に侵入したC-Dps蛋白が関連する可能性が示唆される。今後、この検出システムを用いて、C.jejuni感染後GBSの早期診断への応用や臨床パラメーターとの関連を検討し、その意義を解明したい。
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