研究課題/領域番号 |
20659169
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
須磨崎 亮 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40163050)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 糖尿病 / 発生・分化 / ゲノム / 細胞・組織 / 移植・再生医療 |
研究概要 |
胎児期の栄養障害は糖尿病など生活習慣病のハイリスク要因になるとの『生活習慣病胎児期発生起源説』は疫学的調査によって繰り返し確認されているが、その細胞・分子メカニズムは不明である。『胎児期の膵島形成障害がリスクファクターとなって起こる2型糖尿病』という仮説の正当性を確認することを目的として本研究を実施した。 昨年度の研究で、正常妊娠マウスで食餌制限を行うと、胎児の膵臓原基で転写因子Xの発現が亢進する事と胎仔期の膵島形成が障害されることが見出された。 さらに、この転写因子Xを過剰発現するトランスジェニックマウスを作成すると、加齢と肥満に伴って2型糖尿病を発症することを確認できた。本年度の研究では、このモデルマウスの膵島形成障害は、膵原基の膵管分岐が少なく、多分化能を有する膵幹細胞や内分泌幹細胞の減少によって起こることが判明した。糖尿病の発生機構の解析では、老化や肥満によって膵臓のβ細胞量やインスリン含有量が相対的に不足することが証明され、インスリン抵抗性の亢進ではなく、インスリン分泌能の低下にあることが確認された。また、転写因子Xの発現量に応じて、膵臓中のβ細胞が減少する程度が強くなり、重症な糖尿病を早期から発症することが明らかとなった。これらのことから、生活習慣病胎児期発生起源説を裏付ける分子機構の一部が判明した。
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