研究課題/領域番号 |
20659186
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
荒野 泰 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90151167)
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研究分担者 |
上原 知也 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (10323403)
秋澤 宏行 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (90311795)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 標識抗体 / 超高比放射能 / 分子イメージング / アイソトープ治療 / 体内動態 / 極微量 / 多価効果 / 抗体フラグメント / 放射性ヨウ素 / 腫瘍 |
研究概要 |
RI標識抗体を用いるがんのアイソトープ治療では、RI標識抗体の肝臓等への非特異的な集積を低減してがんへの集積を促進する目的で、標識抗体に比べて大過剰の非標識抗体が同時投与されている。一方、PET薬剤では、超高比放射能標識体の投与で、標的分子への特異的かつ高い集積が達成されている。しかし標識抗体では、その方法論の欠如から高比放射能標識体の体内動態は明らかでない。そこで、非標識の1価Fab'2分子との反応で1分子の高比放射能RI標識2価F(ab')_2抗体を与える放射性ヨウ素標識薬剤の作製を行った。標識薬剤として両端にキシレン構造を介してマレイミド基を有する有機スズ体を設計した。放射性ヨウ素標識体(I-BDBM)をRP-HPLCで精製後、Fab'と反応し、原料のNa[^<125>I]Iと同じ比放射能(2。22×10^6Ci/mol)の[^<125>]BDBM-F(ab')_2を作製した。[^<125>I]BDBM-F(ab')_2にウシ血清アルブミン(BSA)またはFabを加えた際のマウス体内分布を、従来の方法で作製した[^<125>I]-F(ab')_2と比較した。[^<125>I]BDBM-F(ab')_2は[^<125>I]-F(ab')_2に比べて血液からの消失が緩徐で、腎臓への集積は少なく、経時的な肝臓への集積が観察された。また、キャリアとしてBSAおよびFabを加えた場合で体内動態に相違は見られなかった。本研究により、超高比放射能の標識抗体の作製法が確立し、マウスに極微量(6.8ng)の標識抗体を投与した場合の体内動態が明らかとなり、specificな抗体を用いた場合の特異的並びに非特異的集積に及ぼす非標識1価抗体の影響についての検討が可能となった。本研究成果は、抗体を母体とするアイソトープ治療薬剤の設計に対して従来にない新たな指針を与えることが期待される。
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