研究課題/領域番号 |
20659197
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川口 義弥 京都大学, 医学研究科, 助教 (60359792)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 幹細胞 / 膵臓 / 転写因子 / ptf1a / 膵癌 / ptfla |
研究概要 |
胎生期幹細胞と、成体組織特異的幹細胞、更に想定されている固形癌における癌幹細胞との関連を膵臓形成と成体膵、膵癌をモデルに検証しようという発想に基づいて本研究を起草した。臓器形成におけるSox9陽性未分化内胚葉上皮からの胎生膵幹細胞マーカーptflaの発現誘導こそが膵幹細胞としての特性獲得の重要ステップと考え、ptfla上位制御システムの解明を目指した。我々が報告したHes1ノックアウトマウスにおける異所性膵形成を基に、Notchシグナル阻害剤添加下の組織培養とptfla genetic lineage tracingを組み合わせてシャーレ上での異所性膵形成を観察することを骨子とし、それを促進・阻害する細胞外シグナルを同定しようとするものであった。ところが、実際のtissue culture那思うように機能せず、Notchシグナル阻害剤添加と同時に組織が死滅するに至り、実験手法そのものの変更を余儀なくされた。当初、2年目に計画していたSox9陽性細胞の解析から、成体膵管構造に含まれるSox9陽性細胞が既に自己複製能を有する膵外分泌幹細胞として機能し、生理的条件で持続的にptfla陽性腺房細胞を供給すること、成体内分泌細胞には分化しないことが判明した。一方、胎生Sox9陽性細胞は出生直後までは内分泌細胞への分化能を保持していた。胎生および成体膵からSox9陽性細胞をセル・ソーティングして培養しても同様の結果であった。当初の研究目的達成はならなかったものの、成体膵外分泌幹細胞マーカーとしてのSox9の意義を明らかとした。今後は胎生期および成体膵由来Sox9陽性細胞の遺伝子発現プロファイリングの比較や成体膵由来Sox9陽性細と胎児膵組織との共培養系などによってptfla上位制御システムの解明に迫りたい。
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