研究課題/領域番号 |
20659198
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
桧山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
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研究分担者 |
首藤 毅 広島大学, 病院, 助教 (10423378)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 移植・再生医療 / 間葉系幹細胞 / 癌化 / 発生・分化 / マイクロアレイ |
研究概要 |
ヒト骨髄10検体から間葉系幹細胞(hMSC)を分離し、培養、分化抑制因子LIF、bFGF添加にて未分化状態で増殖を行った。またhMSC由来の不死化細胞株8株とさらにhTERT(human telomerase reverse transcriptase)導入でテロメラーゼを強制発現した株がん化細胞株5株を用いて検討を行った。網羅的遺伝子発現解析で、未分化hMSC細胞ではゲノムの10%程度の遺伝子のみ発現していた。さらに、不死化細胞株、がん幹細胞株で有意に発現した遺伝子から、定量PCRで有意に上昇している12遺伝子を選別した。また、hMSCのテロメアは、約40kbと伸長し、テロメラーゼ活性はなく、テロメラーゼ非依存伸長機構(ALT)を有していた。また、hTERTを導入したhMSC-株はテロメア長、増殖能、形態学的変化も顕著な差はなく、hMSCと同様に、脂肪細胞、骨芽細胞、筋肉細胞へ分化誘導しえたが、同時に、テロメア長が短縮することも確認した。しかし、NOD/SCIDマウスにhMSC細胞株、hTERT導入がん化細胞株4株を接種すると、いずれも腫瘍を形成し、hTERT導入細胞株5株中3株で、浸潤、遠隔転移を認めた。マイクロRNA(miRNA)の検索から、hTERT導入により抑制されたmiRNAのターゲットから、未分化な増殖状態に保つシグナルであるWntシグナルなど3経路に加えて、がん細胞株でhTERTを導入によってさらに活性化するパスウェイとして2経路が明らかになり、不死化獲得機構に加えて、がん化の機構の解明が可能となり、このパスウェイから候補遺伝子を3つ抽出した。これらからhMSCの長期培養法とhTERT導入によるによる悪性転換経路が明らかになり、作製したがん幹細胞株は、ヒトがん幹細胞のモデルとして今後多くの領域の研究ツールとなった。
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