研究課題
挑戦的萌芽研究
【はじめに】本研究課題では、局所放射線治療後に残存する腫瘍抗原と同部位の免疫活性化状態を利用して、同部位にナノ粒子ハイドロキシアパタイトを用いた新規免疫刺激剤(アジュバンド)を投与して腫瘍特異的細胞性免疫反応を起こし、局所再発や遠隔転移を防ぐ「体内がんワクチン療法」の開発を目指している。【当該期間での研究実施内容】(1)C57BL/6マウスの大腿皮下にG1261細胞を移植した皮下腫瘍モデルを作成した。皮下腫瘍生着期間を決定(14日)した後、対象をコントロール群(1)と以下の(2)~(4)の照射群とに分けた。(2)皮下に腫瘍が植えられた大腿部のみに12Gyのガンマ線照射を1日あげて2回(合計24Gy)行い、それらを以下の3群に分けた。(2):24Gyガンマ線照射のみの群、(3):24Gyガンマ線照射後にナノ粒子ハイドロキシアパタイト(HA)のみを局所投与した群、(4):24Gyガンマ線照射後に新規アジュバントを投与した群。(3)、(4)では照射から7-10日後にHAのみ、あるいはHAアジュバントをそれぞれ3回局所投与した。(3)照射をしないコントロール群(1)と上記の3群((2)-(4))において経時的に腫瘍のサイズを計測した。(4)同時に各群のマウスから脾臓を摘出し脾細胞での免疫マーカーを検討した。【結果】非照射のControl群(1)に対し、照射のみの群(2)、照射とHAのみを投与した群(3)では腫瘍の増殖抑制が認められたが、(2)群と(3)群における増殖抑制はほぼ同程度であった。それに対し、照射と新規アジュバントを投与した群(4)では(1)、(2)、(3)群に対して優位に腫瘍の増殖が抑制された。【結論】以上から、放射線照射後に同じ部位に新規免疫刺激剤を投与することにより腫瘍の再増殖が抑制できることが動物実験で示された。ただし、脾細胞のphenotypeの解析では各群に有意な差は認められなかった。
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