研究課題/領域番号 |
20659221
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
滝 和郎 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70144368)
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研究分担者 |
松島 聡 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50252367)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 未破裂脳動脈瘤 / 頭蓋内ステント / 流体解析 / テーラーメイド / flow diversion |
研究概要 |
脳動脈瘤の増大の過程においては母血管から脳動脈瘤内部への血行力学的なストレスがひとつの原因とされており、近年、脳動脈瘤の治療として動脈瘤入口部を頭蓋内ステントで覆うことにより血行動態を変化させ動脈瘤内部を血栓化させる方法(Flow diversion)が試みられるようになった。この方法は、脳動脈瘤そのものに処置を施す必要がなく、かつ脳動脈瘤が発生した母血管のみを対象に治療を行い得る点で従来の方法と全く異なっており、危険性が低く根治性は高いと考えられる。そこで、個々の脳動脈瘤の血行動態を解析し、その血行力学的ストレスを減少させ血栓化を促進するのに最適化されたステントを個別に(テーラーメイドに)作成する目的で、本研究では、脳動脈瘤内の血流をコンピュータ上で流体解析するとともに、母血管に留置したステントによりどのように瘤内の血流が変化するか、またどのような条件で瘤内血栓化が効果的に惹起されるのかを検討した。今年度は、既存の頭蓋内ステントEnterprise VRDをマイクロCTにて撮影し形状モデルを作成し、これを未破裂内頚動脈前壁動脈瘤モデルと合成したステント留置モデルを作成後、computational fluid dynamics(CFD)解析を行った。その結果、ステント留置モデルではドームの血流速度やwall shear stressが低下することが明らかとなり、ステント留置は膳動脈瘤に対する血行力学的効果を有し、コイル安定性が期待されることが分かった。本研究での成果を基礎として、今後、動脈瘤血栓化に最適なステントデザインを考案していく予定である。
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