研究分担者 |
勝岡 洋治 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10051757)
高原 史郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (70179547)
猪阪 善隆 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄付講座准教授 (00379166)
梨井 康 国立成育医療センター(研究所), 移殖・外科研究部, 室長 (60321890)
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研究概要 |
「研究の目的」"CTLA4-IgとAnti-ICOS-IgおよびAnti-CD28-Igの併用投与による、強力な免疫学的寛容の導入により、異種移植を成功させることを目的としている。 異種移植モデル(Ginea pig-Rat)における免疫学的寛容導入、およびMF-1遺伝子治療のin vivoにおける効果の検討 a)CTLA4-IgとICOS-IgおよびCD28-Igの3種類の抗体を、投与量:それぞれ1.0mg/ml/day、投与日、投与回数:day-2,day0,day2の3回投与、day-2,day-1,day0,day1,day2,および、day-2,day0,day2,day4,day6の5回投与のすべての条件で治療効果を比較検討した。 b)実験モデル:Donor, Ginea pig ; Recipient, Lew rat MF-1遺伝子を導入したGinea pigドナー腎をRatに腎移植する。レシピエントの固有腎は術当日に摘除。移植手術はすでに確立している。尿管のサイズが著明に異なるので尿管吻合にはステントカテーテルを用いる。無治療コントロール群の生存日数は4-7日である。 実験群:上記モデルを用いて次の4つの実験群を作成 Gp1)CTLA4-Ig,ICOS-IgおよびCD28-Igの併用投与治療群(n=54) Gp2)CTLA4-Ig,ICOS-IgおよびCD28-Igの併用投与+MF-1遺伝子導入治療群(n=54) Gp3)MF-1遺伝子導入治療群(n=54)Gp4)vehicleのみの対照群(n=54) 各グループでまずは、1day,2days,4days,7days,それぞれのtimepointで移植腎を摘出し凍結切片(免疫組織化学、molecular analysis用)と4%ホルマリン保存切片(病理組織用)を作成する。生着期間の延長を認めた場合には、更に14days,4weeks,16weeks(n=4/time point/group)のtimepointで移植腎を摘出し、免疫組織化学、molecular analysisを行ない、Gp1,Gp2,およびGp3における移植腎の機能、形態学的変化を詳細に検討する。更に生存日数の延長効果を検索するためそれぞれ6匹ずつ作成した。 c)効果判定:3)で示したと同様に検索 i)移植腎機能の評価、ii)移植腎生着延長効果の検討、病理組織学的検索、iv)免疫組織化学的検索、v)Molecular assay 「結果」 上記の全ての条件において、明らかな生着延長効果は得られず、また、摘出した移植腎は、組織学的に高度のvascular rejectionを呈する所見であり、新たな方法の検討が必要と考えられた。
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