研究概要 |
1. 研究の概要 睡眠時ブラキシズムの診断は臨床では歯ぎしり音の有無や咬耗の程度によって,また研究では咬筋など咀嚼筋の筋電図によって評価されることが多い.しかし歯ぎしり音を伴わないブラキシズムでは自覚に乏しい場合もあり,また筋電図の測定は専用の計測機器を必要とするため一般に普及するまでには至ってないのが現状である.本研究の目的は電圧を加えることによって色相に変化を生じるエレクトロクロミック材料を応用することにより,簡便にブラキシズムを評価することの可能な検査方法の開発を目指すことにある. 2. 研究成果 エレクトロクロミック色素としてTEC-1(林原生物研究所)を用い,有機溶媒を溶剤としてクロマトグラフ用紙を染色することで電圧記録用の検査用紙の試作を行った.また筋電アンプハイブリッドIC(NB6201HS, Nabtesco)を用いて携帯型筋電アンプを製作し,片側の咬筋EMGのRMS変換後の出力信号を検査用紙に通電させることによって筋活動の検出を試みた.また同時に対側の咬筋EMGを小型筋電計(AT33 Portable EMG)にて記録し,検査用紙に現れる色相変化との比較を行った. 安静時から段階的な強さでの咬筋筋活動時の測定を行ったところ,筋電計の出力に対応した色調変化を検査用紙に記録できることが確認できた.今後は電気回路部品を小型化し貼付するだけでブラキシズムの評価が可能な検査方法を目指して改良を行う予定である. 本研究の成果は日本補綴歯科学会等において報告した。
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