研究課題/領域番号 |
20659311
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
黒田 真司 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50323689)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2010年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 組織再生 / ハイドロゲルシート / 骨芽細胞 / 粘膜 / 培養 / 上皮細胞 / 口蓋欠損 / 口蓋瘻孔 |
研究概要 |
本研究の目的は、ハイドロゲルシート上で骨芽細胞あるいは上反細胞を分化培養し、そのシートを用いて口蓋瘻孔を閉鎖する新しい手法を開発することである。 口腔粘膜細胞および顎骨骨膜細胞を採取する方法は確立されており、我々の今までの研究成果からも明らかである(Kuroda, et al.J Pharmacological Sciences.108(1):18-31,2008)。そこで、シート上における細胞培養および細胞分化を確立させるため、動物実験において採取が容易である骨髄細胞を用いた培養実験を行った。ラットの骨髄より得た骨髄細胞をハイドロゲルシート上に播種し骨芽細胞分化培地を用いて培養を行ったところ、生化学的および分子細胞学的解析から骨芽細胞への分化が有意に促進されたことが明らかとなった。また、ラット頭蓋骨に人為的に作製した骨欠損をハイドロゲルシート単体で覆ったところ、骨再生が促進されたことが、放射線学的、組織学的、分子細胞学的に明らかとなった。その際、ハイドロゲルシート内側面には再生骨が、外側面においては頭蓋粘膜が経時的に再生し、8週後ではハイドロゲルシートが吸収された。口蓋瘻孔に対しては上皮および骨の組織再生法の確立が、他の機能を犠牲にしない飛躍的な機能回復をもたらすと期待できる。本研究では、コンスタントに作製できる口蓋瘻孔モデルの確立には及ばなかったものの、ハイドロゲルシートによる骨再生および粘膜再生の促進が観察された。また、自己再生が困難な大きな欠損組織の再生における可能性が示唆された。今後はこれらの結果を参考に研究を進めて行く。
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